イスラムQ&Aは、日本ムスリム協会の提供で、インドネシアジャカルタジェイピープルがお届けしています。

インドネシアジャカルタ発インターネットマガジン インドネシアジャカルタのホーム
ページコンサルティング会社です
ジェイピープルはインドネシアジャカルタ発のインターネットマガジンです(日曜日を除く毎日更新)。 




〜イスラムの疑問に答えます。提供:日本ムスリム協会インドネシア支部

 インドネシアでもジルバブ(女性が頭にかぶる頭巾)がはやっているようですが、ジルバブをかぶることはイスラム教徒の義務ですか。(2005.7.27)

 イスラームの世界でもこのジルバブ(ヒジャーブとも呼ばれる)の着用については種々の意見があります。ひとつの意見は、義務ではないとの見解にたった意見です。教義から見ますと、女性の衣服についてコーラン(クルアーン)では次のようなメッセージがありますが、
「それから女の信仰者にも言っておやり、慎み深く目を下げて、陰部は大事に守っておき、外部に出ている部分はしかたがないが、そのほかの美しいところは人に見せぬよう。胸には蔽いをかぶせるよう。」(24章31節)
との表現だけで、しかたがない部分、外部に出ている部分とはその範囲を示すのかは明瞭ではありません。したがって、教義から見るとジルバブないしはヒジャーブの着用を義務としているとは言えません。
また、イスラーム全体の教義から考えても、ジルバブをかぶる人が信仰心が厚いというような外見から信仰を問うということもありません。信仰心は心の問題ですから。

しかし、イスラームの教義全体から別の味方をすると、女性がむやみに男性の情欲をさそうようなことは良くないとされていますから、たとえば、女性が美しい髪の毛は男性を誘惑することになると思えば、みずからこれを隠すということが神の意向に沿った振る舞いであるとも考えられます。

インドネシアの若い男性に、結婚したら妻にジルバブ着用を要求するかと質問したところ、ほとんどの男性が「要求する」と答えました。理由を尋ねると、「他の男性のターゲットにならないように」という答えが共通していました。つまり、信仰心や教義とは関係なく、個人的な問題として捉えているわけです。先日、テレビでヨーロッパのイスラーム教徒のジルバブ着用問題で、退校させられた女生徒が、「外すことを強要されることは、裸で歩けと言われる位、恥ずかしく、怒りを覚える」と答えていました。ヒジャブの着用は個人の権利であるならば、強制的にジルバブを外させることは女性に辱めを与えることと同じだから、人に苦痛を与えることは人道上いかがなものかということが問題となります。(日本ムスリム協会 ジャカルタ、アリフ・ラハマン)

インドネシアは国民の90%がムスリム(イスラム教徒)で、世界で一番ムスリムの多い国です。13〜15世紀にイスラームが到来してイスラーム王国もできましたから、歴史的な過程においては、マレイ=ムスリムという共通認識もあったくらいです。従って、インドネシア人の生活習慣は地域的に大半がイスラームに基づいています。

生活習慣の中で一番大切なものは、食事です。食事は文化だと言われるように、食生活は各民族によってそれぞれ異なっていますが、世界のムスリム12億人に共通していて有名なのが、イスラーム法におけるハラールでしょう。

イスラームの食物規定は神様から人間に下されたメッセージ(コーラン)の中に、例えば次のような章句があり、こうした章句から1000年以上、学者や共同体の人々が解釈を演繹してイスラーム法の規定となっています。

「死肉、血、豚肉、アッラー以外に捧げられたもの、絞め殺されたもの、撲殺されたもの、墜落死したもの、角で突き殺されたもの、猛獣が食べたものは、汝らに禁じられている。ただし、汝らが屠殺したものは別である。」(五章三節)

禁止されている行為をハラームと言いますが、禁止されていない食物をハラールと簡単に考えておけば良いと思います。具体的には、ハラール(食べて良い)と認定するには、食べ物の種類だけでなく、その食物の屠殺の仕方などプロセスの要素も入ってきますが、話しが長くなるので、単純に豚肉、犬歯を持っている動物、昆虫(ただしバッタは良い)は食べることが出来ない(ハラム)だと思っていただければ良いと思います。

それでは、ハラムのものを食べた場合には、どうなるのかというと、食べた人が知らなかった場合には、許され、知っていて食べた場合には、天罰が下るということです。従って、その行為の責任は、個人にあることから、これを汚染スタンダード表のようなものを作って食物を分類することもしませんし、イスラーム国家が国家権力を持ってこれを施行する必要も元来ありません。神様と本人との直接の契約によって解決されるべきものだとしています。

豚肉の場合には、意図的に食べた場合には、何度神様に礼拝しても許されないことから、取り返しがつかない事をしてしまったことになります。インドネシア人が日本に行って一番困るのが、豚肉に関係ない食物(ハラールな食物)を探すことです。(了)


日本ムスリム協会ジャカルタ代表 アリフ・ラハマン

※このサイトに掲載されている内容(データ)は ジェイビープルが所有するものであり、無断転載、転用及び無断複製は一切禁止します。
※リンクはフリーです。Copyright(c)2004-2005 JPEOPLE