
提供:ファリーダ法律事務所
男と女の法律(2回目) (2005.7.22)
結婚とは何かを考えて見ますと、単なる肉体の結合をさすものではありません。もし、単なる肉体の結合を指すということであれば、男女間の愛情とその結論である結合があればそれで良いわけで、レバタリアン(自由主義者)の言う、結婚に関して国家権力が介入する必要がないわけで、国家によって定められた法律によって男女間の関係が制度化されねばならないという必然性は存在しないことになります。
イスラームでは結婚は契約関係として捕らえています。イスラム教徒の多いインドネシアでも家族法は、一夫一婦制で契約ということになっています。結婚は市民契約のひとつということで、市民契約である以上、当事者の契約の意思、契約の能力者であることが前提となります。また、解約も可能であり、その他、解約条件を予め合意しておくことも可能です。法律では一定の規則を策定していますが、市民契約である以上、特約(例外を合意する)を紙に書いたもので合意しておくことも可能です。法律事務所が手がける仕事のうち、婚前合意書というものがあります。これは主に資産家が結婚する前に、相続対象遺産を明確にさせるもので、金目当ての結婚に対する手段として用いられます。
さて、結婚が契約である以上、約因の交換ですが、どのような約因をお互い当事者が交換し合うのか考えることは、興味があります。イスラームで言えば、男が女に与えなければならない約因は保護です。この保護とは安全であり、生活保障であり、財産分与ということになります。それでは、これに対して女は何を与えるのでしょうか。契約当事者が結婚する男女の場合なのでこういう質問になるのですが、イスラーム法では契約当事者は男と結婚する相手の女の父親ということになり、この場合対価は現金です。しかし、これは娘を売り買いするのではなく、契約当事者として男同士が女に対する責任を有し、保証するという契約的にはちょっと複雑な構図となります。
これでは、嫌いになったからという単純な理由で契約破棄(離婚)したりできません。しかし、こうした優れた法律システムも近代化の波に襲われたインドネシアの法律では、結婚は、結婚当事者が成人であれば、女性の父親の了解を得なくともできることとしており、またそれだけに、簡単にまた離婚も増えているし、契約上の義務の履行を男性側が破る事件も増加しています。
男女の結婚は生活保障など、金銭が絡むから法律に基づいた制度導入が必要なのでしょう。そして、また法律相談の件数も増えることになるわけです。結婚=愛と考えておられる向きがあれば、それは男女の一面に過ぎないかも知れません。
ファリーダ法律事務所
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