タケノコ診療所提供(6月3日更新)
                                 

まあまた、原稿を書いているが、なにしろものすごく多くの方に期待されていると編集長は言うのだが・・・どうも、インドネシアでこれを読んでいるのは、5人か6人なのではないか?と疑心暗鬼になっている。

しかし、すくなくとも、自分で5回は読んでいるし、日本の家族にも読むように頼んでいるので、関係者以外でも、二〜三人は読んでくれているのではないか?本を書いたら・・・百部は売れるかもしれない。

で、早速本題に入る。

そうそう、例のSARSは、いまだにおさまらない。このいいかげんなインドネシアでアウトブレイクしたら・・・バリの爆弾騒ぎの比ではないだろう。

台湾でさえ、対策が追いつかないというのに、インドネシアは、ほとんど対策をとることもなく、患者が出ていいない。奇跡というより、悪運が強いのかもしれない。

なんにせよ規制をかけることが不得意なこの国で、SARSが暴れはじめたら、医者や看護師が、責任をもって管理できるだろうか?台湾では、感染対策を十分に取らない病院側の対応に不安を感じておおくの医師や看護師が退職してしまったようだ。

感染対策というのは、ある区画を特別区域として囲い込みをはかり、病原を拡大させない手段である。

インドネシアの感染対策の現実はどうか?これは、ものすごいお粗末といわざるを得ない。どの程度におそまつか?

その例1
術後管理や、集中治療を行う部屋に入るとき、家族は清潔な感染予防衣に着替えることになっている。そうなっているだけでもインドネシアではすごいが、その着替える服というのが、いつ洗ったのかわからない代物である。

その例2 履物も、土足でなく、スリッパに履きかえるが、このスリッパも消毒などされている気配はまったくない事が多い。

その例3 家族、看護スタッフは、一応着替える、履き替えるという手順をしないと清潔区域に入れないが、医者だけは、土足、普段着のまま患者を診るためにやってくる。

その例4 患者の家族は、病室の廊下で寝ているし、ナースが床に額ずいて、お祈りをしているのも珍しくない。中には、座り込んでご飯を炊いたりすることもある。

その5 注射をする前に、アルコールで消毒するが、その部分をもう一度指で触って、針をさす場所を確認して、そのままブスリ・・・。

その6 腸チフス、結核・・・日本なら、閉鎖病棟で面会謝絶になるべき病気もほとんど隔離されない。それどころか、ヘアーサロンの人を病棟に呼んで洗髪をしてもらうこともできる。

つまり、いろいろ怖いことがあるのがインドネシアである。それでも、院内感染の話は、ほとんど話題にならないし、医療ミスも日本ほど話題にならない。

もちろん、それぞれの病院の言い分もあるし、レベルもいろいろであるので、一様に語っては、失礼である。

ということで、SARSはくるな!いいな、ちゃんと言ったんだからな。こんな風に、直接SARSに言い聞かせたのは、じつは医者としては初めての試みなのである。