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| Part10 最後の大決戦、果たして奇跡は起こり得るか?(後)〜その1(2005.11.15) |
『一部の良心ネットワーク』暫定政府本部フジテレビに戻った森田。既に大室直吉老人とその従者達はいなかった。桜庭らに向かい
「明日の国会審議は断固阻止しましょう!中枢部と防衛警察軍全隊で今から国会議事堂を占拠します」
「たった今からですか?」
「そうです、たった今。明日では遅い。防衛警察全軍に召集をかけて下さい。一般庶民に協力を求めるのはやめましょう。おそらく日本政府は強行突破を仕掛けてくる。間違いなく怪我人は出る。死者が出るかもしれない。これは戦争です」
そして召集された防衛警察軍は二万人。『一部の良心ネットワーク』の中枢部約二百人、中枢部支援有志約八百人と併せて計二万一千人が、深夜の国会議事堂に集結した。同夜その警備にあたっていた警察官はおそよ五百名。日本政府はその警護に早朝より三万人を投入する予定であったが、森田率いる『一部の良心ネットワーク』に先を越された。国会議事堂に乱入せんとする防衛警察軍に対し、日本政府五百名の警官隊は必死の抵抗を試みた。しかし如何せん敵は総勢二万人、瞬く間に五百人の警察官を蹴散らし、国会議事堂を占拠したのである。
自民党本部の幹事長室、徹夜で明日の緊急臨時国会準備をしている党首脳陣。最重要課題は『一部の良心ネットワーク』による国会審議妨害の阻止であった。そして最中らの最大の悩みは「一体何人規模の反乱分子が国会議事堂に集結するか」という問題であった。三万人の機動隊軍を警護に投入する予定ではいるが、実際のところそれでは足りないような気もした。先日の『一部の良心ネットワーク』壮行会では五十万人が集まった。そんな人数がふたたび集結すれば、機動隊では御しきれない。大部分が丸腰の一般市民とはいえ、暴徒と化す危険性は十分ある。いや確実に暴徒と化すであろう。自衛隊を出動させるしかない。そうなれば必ず死者は出る。しかも大量に……。そうこう議論しているうちに、『一部の良心ネットワーク』国会議事堂占拠の報が伝わった――。
「『一部の良心ネットワーク』により、たったいま国会議事堂が占拠されました!総勢およそ二万人。既に中枢部と思われる約千名が国会議事堂内に篭城、残りの防衛警察軍が外部を厳重に固めています!」
「なにい!国会議事堂占拠だと!」そう言うのは福田官房長官。最中幹事長は落ち着いて
「やりおるな、森田め。先手を取りよったか。だがお陰であちらの人数も知れた。これでむしろ作戦も立てやすくなった。明朝投入する機動隊軍は十万とする。五万は全力で防衛警察軍、国会議事堂に篭城する中枢部の奴らを駆逐する。残り五万は不測の事態に備えて後方にて待機。一般国民が乱入することも考えられる。こちらの方も十分警戒を怠るな」
「ますますもって森田の野郎、許せない!きっと吠え面かかしてやる!」は鈴木スネオ。
「彼奴はお前なんぞ、及びもつかん政治家になろうとしている。吠え面をかくのはお前だよ。それにしても森田、一般国民を利用しないとは大した戦略よ」
「どうしてそれが大した戦略なんでしょう?むしろ一般国民を大量投入した方が数的には圧倒的に有利だと思われますが……」これは福田官房長官。
「『一部の良心ネットワーク』の潜在力を考えれば百万人ぐらいの一般国民動員は可能だ。そうなれば、日本政府は自衛隊を投入せざるを得ない。丸腰の国民を自衛隊が攻撃できるか。すれば何万人と死者が出る。それこそ革命が起こるぞ。日本全土を巻き込んでの流血大革命がな。そして真っ先に首を切られるのが俺達さ。死刑は免れないだろう」
「そんなことが本当に起こり得るんでしょうか?」
「わからん。だから何としてもここで食い止めねばならんのだ」
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以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。
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