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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part10 最後の大決戦、果たして奇跡は起こり得るか?(後)その7(2005.11.21)

まもなく全国一斉に、テレビ・ラジオを通じて、日本政府より重大発表があると告げられた。間一髪であった。あと五分その発表が遅ければ、日本全土で間違いなく大暴動が発生していただろう。

「いまから三十分後、日本政府より重大発表が行われます。全国民のみなさまはお見逃し、お聞き逃しのないよう、この発表に注目するようお願いします」

国民は――
「ついに、今度こそ、やっと……政府が『一部の良心ネットワーク』の要求を飲んだ!」
と小躍りした。
「今度の発表がもしそうでなければ暴れまくってやる」
と物騒なことを言い出す連中もいる。
「おい、重大発表だとよ!」
と暴徒化しつつある群集は、一旦その暴挙を取りやめ、大人しくその放送発表を待つことにした。

国会議事堂内およびその外周――
「おい、一体どうなるんだ、これから……?」
「自衛隊を派遣するから、『死にたくない奴は帰れ!』とでも言う気か?」
「いや、こんどこそ、俺達の要求を飲むに間違いない!」
「いや、まだ信用はできん。さんざん俺達を裏切ってきた奴らだからな!」
と、不安と期待が交錯する、国会議事堂『一部の良心ネットワーク』の面々および防衛警察隊。
森田はよりいっそう緊張し、眉間に皺寄せ下唇を噛んでいる。
「森田さん……。たぶん……いえ絶対に政府は私達の要求を受け入れるはずです。そう恐い顔なさらないで」とやさしい桜庭。
「心配なのは群衆です。発表までは大人しいと思うが、その後で暴れ兼ねない。旧政府の責任を追及せよと叫んで自民党本部でも襲ったらどうなります?」
「きっと、直吉お爺さんが上手くやってくれますよ」
「二百万人の群集ですよ。日本全国合わせば何千万人いるかわからない」
「でも一億二千六百万人の日本人を全部動かしたんですよ、あのお爺さん。きっと大丈夫ですって」

緊急重大発表:
「ただ今よりこの度の大和分離独立、『一部の良心ネットワーク』提言受け入れ要求に関する日本政府最終発表を行います」
 そうアナウンスし、画面に登場しているのは高曽出安伊予。

国民の反応――
「おい、あれ誰だ?」
「馬鹿、お前、知らねえのか。あれは元総理大臣の高曽出安伊予だ」

国会議事堂内、森田の反応――
「高曽出元首相ではないか!隠居しているはずだったが……。一体なぜ?……」

高曽出安伊予
「日本国民のみなさま、日本政府は大和分離独立を完全容認、また『一部の良心ネットワーク』の提言を全面的に受け入れることを決定しました。本日ただ今より現日本政府を解体し、その政権を『一部の良心ネットワーク』に完全移譲致します」

国民の反応――
「やったあ!」

高曽出安伊予
「完全移譲致しますが、混乱を避けるため、向こう半年間を現政府と新政府への引継ぎ期間として、現在停止中の国会を再開し、また退陣を予定している全国会議員が暫くこの任務にあたることを予め御承知下さい。引継ぎ終了後は、確実に全国会議員が退陣することをお約束します」

国民の反応――
「そんなこと言っといて、そのまま国会に居座り続ける気じゃねえのか?俺達は信用しねえぞ、お前らのことなんか!」

高曽出安伊予
「また、現在日本全土で、政府撲滅運動を展開していらっしゃる皆さんに、お詫びおよびお願いを申し上げます。この度のみなさまのお怒り・憤り、誠にごもっとも。旧日本政府を代表して、この高曽出安伊予が陳謝致します。(頭を下げる高曽出)国民のみなさまの努力そして勇気により、たったいま旧日本政府は解体されました。よってこれ以上の混乱を避けるため、日本全国にて政府撲滅運動に参加されている方々は、本日のところは解散し、速やかに帰宅されることを御諒承願います」

国民の反応――
「そんなので済むわけねえだろう!」
「最中らに責任を取らせろ!」
「刑務所にぶち込め!」
「死刑にしろ!」
「自民党本部を叩き壊せ!」
怒りは収まりそうにない。溜まり溜まった鬱憤・鬱積、今すぐにでも自民党本部を襲撃しそうな気配。やはり血の犠牲は必要なのか?

高曽出安伊予
「それでは、引き続き天皇陛下のお言葉を承ります」

国民の反応――
「ざわ、ざわ、ざわ……」



以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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