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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part3 日本政府、大和探索を開始する〜その2 (2005.9.1)

自衛隊全軍進行の様子は、テレビを通じ全国に流れた。
「ほう、頼りないと思っていた自衛隊だが、こうして見ると壮観で頼もしく思えるぞ」
という国民も結構いて、森与太郎の言ったように、(この作戦で)ちょっとは政府が国民の信頼を取り戻したようであった。

テレビ局報道特別番組の様子:
快晴の東京湾晴海埠頭。早朝から続々と集結する陸海空自衛隊。空には耳を劈くジェット戦闘機の轟音、次々と輸送艇に運ばれる戦車、武器、そして乗り組む隊員達――。森与太郎防衛庁長官指揮のもと、自衛隊員約三千五百名が「きびきびとそして少々興奮気味に」各自の任務を黙々と遂行中である。森長官の訓示に始まり、森田新総理の激励で、自衛隊の士気は最高潮、今まさに平成陸海空連合軍は反乱分子大和を発見し一掃せんと、小笠原討伐へ出発するのであった。

(以上の背景から現場中継〜NHKアナウンサー有鈍由美子)
「昨夜急遽決定された小笠原諸島分離独立派への騒乱罪適用を受け、大室直吉容疑者を主犯とする分離独立派の一掃を行うため、政府は陸海空自衛隊を派遣、まだほとんど謎といってよい大和を探索することになりました。この探索には自衛隊員三千五百二十一名が動員され、我が国の誇る最新鋭イージス艦全四隻を中心に、あたかも日本政府の威信を誇示するような大連合軍が、現在小笠原に進行しようとしています。果たして大和は存在するのでしょうか。そして政府の目論見通り、大室直吉容疑者を主犯とする分離独立派を無事一掃できるのでしょうか。なお現在のところ小笠原諸島への一般渡航はすべて禁止されており、政府は一般市民に対して『怪しげな言動・噂に動揺することのないように』と呼びかけています。以上、東京湾晴海埠頭より実況でお送りしました」

当然のことながら、飛行機連隊が先に小笠原諸島を上空より隈なく探索する。聟島・父島・母島各列島から火山列島(硫黄島、南北硫黄島)、そして孤立島(西之島、南鳥島、沖ノ鳥島)まで探索した。しかし、それらしい建物も住居も人影さえ発見できず、人工島などないかと注意するも、一向に見つかる気配はない。

「秘密基地は大抵、山中や林間にあるものだ。地下に隠れているということもある。明朝早々にも全軍が到着する。一斉に島狩りをすれば必ず見つかる!」と最中の鼻息は荒い。そこへまた全軍を指揮している森与太郎がひょっこり現れ
「いやあ、壮観でしたなあ。あの自衛隊全軍勢揃い、惚れ惚れしましたよ」
「あなたが総指揮したのではないか。威張るのは大和を発見してからにすることだ」
「私が総指揮ですって。そんなご冗談を。総指揮は森田総理の役目ではないですか」
「それを買ってでたのはあなたでしょうに」
「えっ、そうでしたっけ。私は寝ぼけていたのかしらん?」
「おお、やはり寝ぼけていたのですか。どおりでしっかりしておった。おっとこれは失言……(もごもご)」
「今日は朝からどうもぼうーとしており、ついさっき起きたばかりの感じなんですよ。いやきっとこれは私の普段の行いから生じる僥倖です。やっと私の活躍する場が訪れたようです」
「朝も同じ台詞を言いましたよ。もう忘れたんですか、防衛庁長官!(キッパリと嫌味っぽく)。まあ、あなたのお陰で政府の威信を若干取り戻しはしましたがね」と最中。
「いやあ、確かにそう言いました。思い出しました。私が総指揮でしたね。なんせ防衛庁長官だもの」
「本当にいい加減な奴だ」とは、さすがに言わない最中であった。

以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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