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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part3 日本政府、大和探索を開始する〜その9 (2005.9.9)

テレビ二元中継始まる――
まず画面に登場したのは大室直吉老人いや小村直次郎。画面の映像は、右半分に森田、左半分に直吉老人。
「御苦労ですな。報道陣の皆さん、森田総理、そして総理の後ろに控えよる最中幹事長以下優秀なる方々よ」
「小村直次郎さん。国際法に照らし合わせても、過去の事例からいっても、大和の独立は一切認められません。いくらあなたが専門家だと仰っても、所詮『鷺を烏』と言っているようなもの。屁理屈にお付き合いするつもりもありません。何なら大和独立が法的に何の根拠もないことを解説致しましょうか」
「正体がばれてしもうたのう。が、小村直次郎はとうに死んでしもうたわい。ここにいるのはその怨念じゃ。戦後ずっと日本を見守ってきたが、アホな政治家、アホな官僚、アホな国民が、なかなか儂を成仏させてくれんわい。大室直吉はその怨念が権化したものよ」
「それでは大室さんにお尋ねしたい」
「爺さんでええよ」
「それでは直吉爺さんにお尋ねします。あなたの大和分離独立は法的に何の根拠もない。将来、海賊として討伐されることはあっても、国家として認知されることはありませんよ」
「海賊とはうまいこと言いよる。海賊であれば討伐やむを得なし。儂らを虐殺したところ、政府の威信が損われることもあるまい」
「日本をあれだけ憂慮されるあなたが海賊だとは思っていません。しかしやっていることは海賊と同じではありませんか」
(いいぞ、森田、その調子だ――別室の最中幹事長)
「そうじゃのう。確かに儂らは海賊と同じかもしれんのう。だがな、『盗人にも三分の理』というぞ。はじめは海賊であっても、抵抗を続けるうち、国家として認められる力をつけてしまえば、誰もそれを海賊と呼ばんようになる。あんた先程国際法と口にしたのう。あれは結構いい加減な法律じゃ。ごり押しで国を分捕った奴らが、今後の憂いを防ぐために我田引水で作ったものよ。当然国際法で言えば、正義はあんたらの方にあるわい。儂らは海賊に過ぎん……。しかし儂は大和の法的根拠を述べるために対談を申し込んだのではないよ」
「それでは何の理由で対談を希望されたんですか」
「それはなあ。お前さんが『大和はまやかしだ』と大見当違いのことを言いよったから、それを訂正しにきたのよ」

別室の最中、小津武元内閣法制局長、エリート官僚チーム、みな肩透かしを食らった。特にがっかりしたのはエリート官僚、いかに影武者とはいえ、特にこれだけ日本全土の注目を浴びている中、彼らの真面目を発揮し、堂々と論敵をやっつける快感を味わってみたかった。これではまったく出番無しである。

「直吉爺さん、訂正といっても口だけではねえ。実際大和を見ないことには誰も納得しませんよ」
「そうよ。だからそれをお見せしようと思うてのう。森田総理、悪いが画面をこちらのテレビカメラ中心に切り替えさせてもらうぞ」

それから画面全体に、固定マイクの前で座っている直吉老人の姿、そしてその背景が映し出された――。


以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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