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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part4 日本政府、大和と対話する。〜その3(2005.9.15)

明けて翌日。いよいよ大室直吉老人が指定した正午。全民放もNHKも一斉に小笠原大和暫定政府基地より送られてくる映像を生中継。

第二回大和国家機構および初期入植者募集要項発表――。画面に表題が現れるとともにどこかで聞いたことのあるようなBGMが流れる。ターララ、タララ、ターララ、タララ、ルン、ルン、ルン、ルン、ルールル……。それは二十年以上もの長期に渡り、平日午後に放送され続けている人気対談番組『徹子の部屋』のテーマ音楽であった。
そして画面に登場したのは、大室直吉老人とその『徹子の部屋』で聞き手役を担当している裏柳生徹子である。

「テレビを御覧のみなさま、こんにちは、裏柳生徹子でございます。突然私の姿が映ってしまって、びっくりされた方も多いと存じます。何にしろ、私もびっくりしているのですから。ホ、ホ、ホ。で、今日お話を伺うのが全日本国民いえ全世界の注目の的、大室直吉さんでございます。直吉さん、よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いしますのう。ただ若い女子から直吉さんと呼ばれるのはちと恥ずかしいので爺さんとでも呼んでもらおうか」
「まあ、若いですって。お上手ですねえ。私はもうとっくにおばあちゃんですよ」
「儂にすればそれでもお若い。女盛りといったところじゃな」
「ホ、ホ、ホ、ホ、ホ。それでは直吉お爺さんとお呼びしようかしら。昨日の夜、まあ、私びっくりしまして。というのは目の前に突然マスクマンの方が現れて、大和の者ですって言うものですから、はい、始めはてっきり強盗かと勘違いして、思わず目の前にあるゴルフクラブをがあっと振り上げたんです。そうしたら、その方も慌ててマスク脱いで『私です、私です』って。で、その方よく存じ上げているものですから『○○さんじゃありませんか。どうしたの一体、そんなマスク被って?』って言ったら、『実は私、いま世間を騒がしている大和の一員なんです』って言うんですよ。よーく聞いてみたら『インタビュアーとして話をしてほしい』と言うことでした。はじめはお断りしたんですけど、あまりに熱心なもんですから、それと私も好奇心超旺盛なものですから、それじゃあ、やりましょうって。で真夜中に、小型飛行機乗せられちゃって。連れて来られちゃいました」
「いやあ乱暴なことをして申し訳ない。インタビュアーは身内よりも外部の人間がよかろうと思うてな。あんたならきっと来てくれると踏んだんじゃが、やはり儂の直感は正しかったようだのう」
「で、その大和なんですけど、いつ頃から独立を計画なさっていたのかしら?」
「構想は終戦後すぐじゃったよ。じゃが、日本がいいように復興すれば、その必要もなかったんじゃ。儂としては空中楼閣で終わらせたかったわい。ほんまはそんな大それた分離独立・新国家建設なんぞやりとうはなかったんじゃ。ところが馬鹿政治家・馬鹿国民のお陰で日本は悪うなる一方、それでもいつかは良くなるだろうと、再三再四我慢しておったが、ついに堪忍袋の尾が切れよった。きっかけはのう、北朝鮮による日本人拉致事件じゃ。拉致問題が公にされてから、もう何十年になるか。拉致問題の早期解決を目指す市民団体が続々誕生しよるというのに、日本政府の対応ぶり、無策ぶり、言い訳ぶり。御家族の心中を察するのは当然として、果たしてあの姿勢が国家として体を成しておると言えようか。ついには拉致された多くの方々が帰らぬ人となる始末。この責任、一体誰が取るつもりであるのか。まったく政治家どものあの体たらく。この件に関しては与党も野党も同罪よ。亡国といってよいわ」
以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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