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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part4 日本政府、大和と対話する。〜その12(2005.9.26)

「そう、顧問。お爺さんの言うことなら政治家も官僚も従うわ。最初は反対する国民もいると思うけど、いずれはお爺さんのもと一丸となって新生日本が誕生すると思うわ。どうかしら」
「それは魅力的な話じゃなあ。昨日は共産党を指揮するよう頼まれたが、今日は日本政府とはのう……」
「そうでしょう、こんな魅力的な話ってほかにありませんよ。大和の皆さんも新生日本の一員として、最高待遇で歓迎しますわよ」
「しかし、日本政府は大和分離独立派を一掃したいはずであったろうに。軍国主義者、海賊、テロリストとも呼ばれたぞ。昼のデモでは、多くの連中が大和分離独立に反対しておったではないか。非難・批判する者はおっても賛成する者は皆無じゃったように見受けられたが……」
「それはバカな左の連中がそう言っているだけ。田中角兵衛が誤解されているのと同じです。だから、ねっ、お爺さん、いえ大室直吉先生、我が日本政府は正式に大室直吉先生に顧問就任をお願いします。考えて頂けませんか?」
「これはありがたい話じゃ、日本政府の顧問就任とは……。ところで顧問を引き受けた暁には儂の望む国家造りを励行するが、それでも宜しいんですかのう?」
「もちろん!ただしいきなり自衛隊を軍隊にするとか、中国・アメリカと国交断絶するとかは駄目よ。国民のコンセンサスも必要ですからねえ。徐々に変えてくれれば全然問題ないことよ」
「儂とて、そんな馬鹿ではないわい。一朝一夕で国体が変わるはずもあるまい。儂が推進する大和の形態をいきなり押し付ければ、日本が混乱するのは必至じゃ。やるとすれば手近なところからじゃわなあ」
「そう、それでいいんです。手近なところからぜひお願いします、大室先生!」
それ、もうひと押し、官邸の森田、最中、全員がいけいけコール。(福田官房長官を除く)
「そうさなあ、まず不要な政治家のクビ切りからやろうかいのう。それでもええかい?」
「もちろん、先生の思うようになさって下さい」
「それでは、まずあんたのクビを切らしてもらうわい」
「な、何ですって?」

いきなりトーンが変わる真危子、いままで優しい甘えるような猫撫で声が、いきなり低音のハスキーな地声に、そして終始絶やさなかった笑顔が、険しく毒々しい顔つきに一変した。
「聞こえなんだかい?お前さんのクビをちょん切る言うたんじゃよ」
「私のクビを切るとはどういうことですか?私が不要な政治家だと仰るんですか?」
「心配せんでええ。お前さんだけやない。最中さんら自民党首脳部の連中、野党のお偉いさんもひっくるめて、年寄り連中全部、お前さんの大嫌いな福田さんまで、きっちりやめてもらう。森田さんはまだ若いから残しておくが……」
「私のどこが不要なんですか!私は田中角兵衛の娘ですよ!私は国民に一番人気のある政治家なんですよ!さあ、どこが不要か、言って御覧なさい!」
「そう、キャンキャン吠えなさんな。政治の世界に限ったこっちゃない。旧態勢を打破するためには若い血が必要じゃ。いつまでも年寄りが幅を利かすうち、組織が腐っていくのよ。年寄りの意見は大事にせなあかん。かというて年寄りの言うことばかり聞くようではあかんわい。それにのう、あんたは不要な政治家ではなく、日本が再生するには排除せんならん害毒よ。邪魔者と言うとるんじゃ」
「じゃ、邪魔者ですって!田中角兵衛の娘を邪魔者ですって……。国民に一番人気のある私を邪魔者ですって……(ワナワナ震えている)」
「あんたが政治家として罷り通れば、日本の再生はあり得まい。日本のためじゃ、さっさと引退せよ」
真危子、唸るような震える声で
「わ、私が……、私が折角の厚意で、日本政府の顧問就任をお願いしてやっているのに……。本来なら犯罪者として遇されるはずのテロリストを……」
感情に任せて言いたい放題の、誰彼構わず悪口雑言浴びせる習癖は、政治家・マスコミならず一般人にも知れ渡っているところ。その真危子、とうとう右脳の血管一本ブチ切れ、ついに爆発!
「人の厚意を何だと思っているの?あなた一体何様のつもり?あなたはもはやヒットラー以上の独裁者だと今はっきりわかったわ。国民の皆さん、よく聞いて下さい。彼は根っからの独裁者、軍国主義の権化です。大和分離独立派の皆さん、ようく考え直して下さい。あなた方は騙されているんです。大室直吉は日本始まって以来の大詐欺師、大ペテン師です。皆さんは私とペテン師のどちらを信用されますか?大和の皆さん、いま日本へお戻りになれば、政府は一切のお咎めを致しません。あくまでもペテン師についていくと仰るのならテロリスト集団として一掃されます。私はねえ、そりゃあ口は悪いけど、日本のことは誰よりも案じているんです。その私をよくも……よくも邪魔者扱いしてくれたわねえ……」
 最後はほとんど恨み節。ところへ大村直吉老人の、かつて一度もテレビ対談ではやったことのない、大一喝――。
「黙らっしゃい!」


以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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