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| Part4 日本政府、大和と対話する。〜その14(2005.9.28) |
日本全国テレビを見ている全員が、思わずビクっ!食事時でもあり、箸やお椀を思わずポトっと落とす者もいた。「いやあ、いまのはビックリしたなあ」と日本全国津々浦々まで直吉老人の大一喝は轟き渡ったようである。ぎゃあぎゃあ泣き喚いていた赤ん坊までが、突如泣き止んだのであるから、その大一喝の威力が計り知れようというもの。まるで全国民が一瞬間、直吉老人の催眠術にかかったようであった。
さてここに、おそらくは日本でたった一人、直吉老人の大一喝で、突如の言語障害に陥った者がいる。直吉老人のテレビ対談の相手、直吉老人の大一喝を招いた張本人、田中真危子であった。真危子は体を硬直させ、口を金魚のようにパクパク開き、言葉にならぬ言葉を発した。
「ひっ、あうっ、へっ、うっ、ほっ」(真危子)
「さっきより大人しく聞いておれば、政治家とは思えぬ、下品で卑猥な物言い、相手を愚弄する罵詈雑言。己こそ日本政治腐敗の元凶であることも気付かず、我侭気侭に政界を闊歩するじゃじゃ馬娘。政治家としての職務はほとんど果たさず、パフォーマンスと大嘘で国民の人気取りだけは人並み以上。お主を指導者と仰ぎ、お主と行動を共にする政治家・官僚の名を挙げてみよ。誰一人としておるまい。精々お主の人気を利用し、政権を奪還しようとする野党政治家ぐらいのものじゃろう。他人の不正疑惑は徹底糾弾するも、己の秘書給与横領疑惑には一切閉口し、マスコミや関係者を詰るだけ。そんな政治家、一体どこの国が必要とするか!」
「なっ、おっ、えっ、ひぃー、ふっ」(真危子)
「それでものう、国民の一部はお前さんに期待しておる。あの角兵衛の娘じゃ、今太閤と言われた角兵衛の娘じゃとな。彼女なら日本を立ち直らせてくれよう、日本の政治を変えてくれよう、その思いがお前さんには伝わらんのかい!政治家としていっこも勉強せん。人を導く思いやりも優しさも持ちよらん。角兵衛は違うたぞ。政治家連中が、官僚連中が、そして国民がみんな彼を信頼しよったぞ。人をその気にさせる天才じゃったぞ、角兵衛は。お主、父君から何を学んだんじゃ?金だけ集めることか?パフォーマンスだけで人をひっぱることか?金のやり取りで、政治が円滑に行われ、国民が豊かになり、国が平和になってこそ、それは『生き金』と呼ばれるんじゃ。政治家が職務を忘れ、私利私欲に走り、政権維持や政権奪取のため金を使うから、それは『死に金』、世間では『賄賂』と呼ばれるんじゃわい!そんな初歩の初歩を何で父君より学ばんかったんじゃ!」
「とっ、さっ、こっ、くっ、しっー」(真危子)
「しかしのう、お前さん、いやお前さんだけではない。そんな政治をやっとる奴はみんな終わる。これは時代の趨勢じゃ。もしお前さんにその気があるのなら、日本全国民にお前さんの『人を人とも思わんような倣岸』を詫びよ。そして謙虚になれ。まだ間に合うぞ!」
「う、う、う、う、う」(真危子)
「最中さん、いや職務を忘れた全政治家の諸君、聞いとるか!あんたらの時代はもう終わりじゃ。潔く国政より身を引け。あんたらが引退せん限り日本は終わる。国賊と呼ばれる前に……、引退せよ!」
その瞬間、真危子はひっくり返った。奇しくも土井たき子の二の舞となった。真危子は救急車の中で、言語障害から回復し、朦朧とする意識の下で「お父さん、ごめんなさい。お父さん、ごめんなさい」とうわ言を繰り返した。田中真危子――戦後最大の政治家・故田中角兵衛元総理の娘として鳴り物入りで政界入り。一時小根澄内閣にて外相を務めるが我侭ぶりが祟り更迭。しかしその後も父親譲りの演説上手と独特のパフォーマンスにて国民の絶大人気を得た。その田中真危子、本日をもって政治生命を終える――
静まり返った官邸の一室。最中が元気なく呟いた。
「終わりだ、何もかも……。あの大室直吉に全部壊される。俺達が築き上げた日本が全部壊される……」
「そんなバカな!壊されるだなんて!最中幹事長、しっかりして下さい!」
そう叫んだのは森田であった。森田だけが勇ましく立ちあがり、全員を鼓舞するのであった。
「皆さん!元気を出しましょう!まだ大和の正体はわかっていないんですよ。きっと公安警察が大和の所在地を掴んできます。奴らが所在地を明かす前に、一斉攻撃してやりましょう!」
元気なく俯いていた最中、ようやく顔を上げ
「森田さん、いや森田総理。俺達は謝らねばいかん。あんたをお飾りにしようとしたことを謝らねばいかん。お飾りどころかあんたに慰められるとはなあ。あんたは立派に総理の器だ」
「最中さん、やめて下さい。お飾りでなれ何であれ、首相に選ばれた限り、不肖森田は精一杯の努力を致します」
森田のこの一言で全員が元気を取り戻した。最中は
「よし、大和発見の際には、自衛隊の全指揮は俺が取る。大室よ、今に見ていろ、きっとその傲慢な鼻をへし折り、吠え面かかしてやる!」
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以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。
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