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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part6 大和、全容発表する。政府、全面攻撃する。〜その1(2005.10.10)

そして迎えた大和全容発表当日――。朝早くから国会議事堂には全国会議員のほぼ八割方が参上。残りの二割は無所属議員や少数派の独立容認グループ、そして若手の石原野薇太や民主党の甘納豆なども参加せず、一枚岩とは言い難い。議題は『大和分離独立問題に関する可否』である。
 最初は衆院で、各政党代表がそれぞれ意見陳述、そして予定通り「自衛隊による大和完全殲滅の軍事行動決議」を満場一致の上で採択、続いて参院でも同様な進行にて、同決議を採択。ここに日本初の全政党見解一致による自衛隊軍事行動が正式に承認された。
 街中では政府主導の大和分離独立反対派(表向き市民運動を装う)が、大声でシュプレヒコール――
「我々の平和を脅かす大和軍事独裁国家の独立を許すな!」
「愛国者の仮面を被ったテロリスト集団を一掃せよ!」
「平成のファシズム、大和分離独立派に死を!」

そして全日本国民が待ちに待った正午。期待、興奮、さまざまな思惑の中、いよいよ大和全容発表の時。大和は実在するのか、大和の所在地はどこなのか、大和国家建設の行方とは……。

大和全容発表全映像:
テロップ〜大和暫定政府基地より完全生中継。この中継はYBC(大和国立放送協会)を通じて日本全国、全世界各国に向けて放送されています。

司会は既に大和人と公言した亀岡龍太郎。小笠原は本日も晴天なり。中継場所は大和暫定政府前の青空広場であると思われる。既にビデオや特別中継で登場した著名人がずらっと顔を並べていた。そしてさらには大和住人およそ三千人がその様子を見守っている。大和全住人で記念式典を行っていると言っていい。

「全日本、いや全世界の皆さん。お待たせしました。ただいまより新独立国家大和全容発表を行います。まず全容発表に先だち、大和国旗掲揚および大和国歌の同時披露を致します。なお大和国歌披露は作詞作曲者自身の独唱にて行われ、同時に大和全国民および全土を御紹介する映像を生中継にてお届けします。それでは谷村銀二さん、よろしく!」

そしてテレビカメラの前に現れたのがテカテカの禿頭、知らなければ「むっつり助平おやじ」と誤解されるかもしれぬ、有名アーチスト谷村銀二であった。まず谷村の第一声――
「この歌を大和に捧げます」

 ファンファーレとともに始まった前奏、どこかで聞いたことのある音楽、それは彼自身が作詞作曲した大ヒット曲『昴』であった。静かに蕩蕩と歌い出す谷村――。

『大和』新国歌

目を閉じて父母を慕い
哀しくて祖父母思い
荒海越えてこの地に
何も悔やむことはなし

メロディーはまさしく『昴』であったが、詞は新たに作られたもの(替え歌)である。映像は、藤色を背景色に白抜きの正楷書文字でヤマトと象られた新国旗が掲揚され、風に棚引く様子(当時風はなく、穏やかな天気であったため、送風機を使い演出)。テロップには次々と歌詞が紹介されていく。

嗚呼 集い寄る宿命の人々よ
そして密やかにその身を燃やせよ

我は行く 気高き性質のままで
我は行く 祖国『大和』よ

 ここで間奏、谷村の台詞――
「日本の皆さん、大和は軍国主義や独裁者の国家ではありません。お年寄りから子供までみんなが安心して平和に暮らせる新天地です」
 
以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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