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| Part8 『一部の良心ネットワーク』、奮起する。〜その6(2005.10.31) |
「日本政府打倒を宣言された皆さん、あなた方は間違っている!『一部の良心ネットワーク』提言には『一切国会審議を認めず』云々とある。日本が戦後必死の思いで成し遂げた議会制民主主義を否定するつもりですか!」
「そうだ!その通りだ!」と政府擁護派が拍手喝さい、森田を援護。最もでかい声は鈴木スネオ――。スネオ、せめて大声で叫ぶしか、お詫びする方法がない。
「議長、異議あり!」と叫んだのは政府打倒派甘納豆。議長、緊迫した中でも「甘納豆君!」と甘納豆を指名する声は、いつものおとぼけ調子。
「議会制民主主義は既に有名無実、既に議会は一部の政治家・官僚どもの独壇場となっています。国民の意見を反映しない政治は、民主主義と言えず、我々『一部の良心ネットワーク』は真の民主主義を築くために、現政府打倒を宣言したのです。民主主義を否定したのではない!」
「議長!」叫ぶ森田。議長、やはりおとぼけ調子で「森田総理大臣!」
「『革命によって政府を打倒し、真の議会制民主主義を築く』とあなた方は仰る。その結果、日本は火の海となり、多くの人命が失われることになろう。そしてその前兆は既にある。この事実をあなた方はどうお思いですか。罪無き人々が死んで行くのは、致し方ないとお考えですか」
またしても「そうだ!その通りだ!」と政府擁護派の拍手喝さい。政府打倒派も負けずに「責任をなすりつけるな!」と野次を飛ばす。甘納豆は議長を無視して応じた。どきまぎする議長を意に介さず
「だから、現政府を擁護する政治家の方々に、速やかに退陣願うよう提言したのです。数々の失態を繰り返し、ついには自衛隊を大和に派遣することで、その結果招いた大失態の責任も取らず、大和分離独立に関し、何ら有効な解決手段を提示できない。そんなのはもはや政府ではない!(「そうだ、そうだ!」政府打倒派の援護)そして鈴木外相の失態、日本を社会主義帝国にする陰謀、一体どこが民主主義と言えましょう!」
最中にジロッと睨まれた鈴木スネオ、慌てて「議長!」――。おとぼけ議長、「鈴木スネオ外務大臣!」
「あの陰謀はすべて私の作り話であります。大和独立反乱軍を撹乱するための作戦であります。以上――」
「うそつき!恥知らず!小悪党!」政府打倒派より怒号の野次。
甘納豆、議長を完全無視して
「ここにいらっしゃる現政府支持の皆さんが退陣頂かない限り、国民の怒りを押さえることはできないでしょう。もう一切の議論は不要だ。私もこんなバッチは欲しくない」
と言って国会議員の証しである金バッチを襟元から外し、政府擁護派に投げつけた。ほか百五十名の政府打倒派、甘納豆に倣い、やはり一斉に金バッチを投げつける。ツルワ・センネン――はるばるフィンランドからやってきて政治家に転身、湯河原町議会議員を経て、再三国政に挑むも惜敗し、ようやく大橋嘘千の辞職により転がり込んできた国会議員の金バッチ――その金バッチを摘んでじっと睨むこと数秒、やはり政府擁護派に向かって「えいっ!」
「国政を馬鹿にするか!」大怒号の政府擁護派、もはや国会は修羅場となり、正常の審議ができる状態ではなかった。とうとう掴み合い、取っ組みあいが始まり、警官隊が出動。ようやく事態は収拾したものの『一部の良心ネットワーク』政府打倒派は全員で国会議事堂を退出、残された六百余名の政府擁護派で、審議を再開することになった。
そして、その場で決定したものが――『一部の良心ネットワーク』参加政府打倒派全国会議員の議員辞職要求、それに大和分離独立問題が解決するまでの時限立法『治安維持特別法』である。
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