インドネシアジャカルタジェイピープルがお届けするフィクションバラエティー小説 

インドネシアジャカルタ発インターネットマガジン インドネシアジャカルタのホーム
ページコンサルティング会社です
ジェイピープルはインドネシアジャカルタ発のインターネットマガジンです(日曜日を除く毎日更新)。 


新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part9 最後の大決戦、果たして奇跡は起こり得るか?(前)その5(2005.11.10)
 何時間眠っていただろうか?ようやく正気に戻った最中。まだ頭がくらくらする。気がつけば元の官邸閣議室にいた。しかも全員がまだそこにいた。そろそろ気付き始めた者はまだ眠っている隣に「おい、起きろ!」
「しかし、何だったんだ、あれは?」
「悔い改めよと言っていたなあ。どうするつもりなんだろう?」
みんな訝しがる中、気付いたことがある。窓の外が真っ暗なのだ。鋼鉄の板が外側から張り付けられているようであった。
「どういうことだ、これは?」
そのうちスネオが、出入り口の方で
「たいへんでーす!ドアが開きません!」
そしてまだ目の覚めない男がひとりいた。しかも昨日まではいなかった男――元外務省事務次官の東郷滓彦である。鈴木スネオ駆け寄り
「おい、お前は東郷じゃないか?なぜここにいる。なぜお前がここにいるんだ!」
この東郷、かつて鈴木スネオの言いなりになり、外務省をスネオの手先にした男、いわばスネオの小間使いである。
「昨日何者かに攫われて、今やっと気付いたのです。鈴木先生、一体ここはどこですか?」
「ここは官邸閣議室だよ(怒りながら言う)」
「なぜ私がここにいるんでしょう?」
「こっちがそれを聞いておるんだ、馬鹿」
スネオ、東郷には偉そう。最中が
「そんなことはどうでもいい。肝心なのは、一体誰が、何の目的で、俺達にこんなことをしたかということだ?」
「たしか悔い改めよと言っていた。『一部の良心ネットワーク』が指定する最終回答期日まで我々を閉じ込めておく作戦ではないか?破防法など一切発令させんように」小沢が言う。
「期日後に発令する手もある。それはおかしい」
「我々がいない間に国会を占拠し、政府撲滅完了を宣言するんじゃないだろうか?」これは神主他家法。
「国会議員は我々だけではない。そう簡単に宣言できるもんか」これは鳩屋由紀夫。そこへ口を挟んだのが、攫われてきたばかりの東郷滓彦。
「さしでがましいようで、申し訳ありませんが、意見を申し上げて宜しいでしょうか?」
「ほんとに、さしでがましい奴だ。なんだ、言ってみろ!」
東郷にだけはほんと偉そうなスネオ。
「さきほど小沢先生は『悔い改めよと言っていた』と仰いました。だから彼奴らは我々に反省の時間を与えたのでは?反省し改心したところで潔く退陣する。そうすれば日本がこれ以上混乱することなく革命が達成されると……」
「おい、東郷!俺達が一体何を反省するっていうんだ?反省するのはあいつら『一部の良心ネットワーク』の馬鹿どもだろう!」
「たとえば私と鈴木先生の関係とか……」
「な、なにを!俺はお前達のためにどれだけ予算を取ってきてやった!俺の言うことを聞くのは当たり前だろう!少々の見返り貰ったって構うもんか!」
「そ、それはただの例でして……」
最中がようやく間に入り
「あんたの言う事もよくわかる。しかし俺達がそのぐらいで改心するような玉だったら、ここまで事は大きくならんかったろうよ。それをまさかあいつらがわからぬとも思えない」
「これから、彼らがやって来て、今後一切の野心を持たせぬよう、私らを洗脳するとか……。そのために閉じ込めたとか……」
「でも、二、三日ぐらいでは洗脳されんぞ」
「催眠術でもかけて例の『社会主義帝国』建設の話をペラペラ喋らせるとか……」
「おお、あれか?スネオならともかく、俺は催眠術にかからんよ。そう簡単に喋るもんか」
鳩屋由紀夫が口を挟んで
「やっぱり、あれは本当だったんですか?」
「ああ、本当だよ。ここ数年で考えだした計画だがなあ」
次は東郷――
「私も官僚仲間から聞いたことがあります。『内閣法制局元老院』の話、やはり本当だったんですねえ、小津武さん……」
小津武、怒って
「滅多なことを言うもんじゃない!」
最中、仲裁する
「まあまあ、もういいではないですか。すべては泡沫の夢に終わろうとしている。きっかけは『二度と戦争を起こさないためにはどうすればいい?』だったが、どこでどう間違ったのか、我らの保身を考えるようになり、その挙句辿りついたアイデアが、『馬鹿な国民を政治家・官僚に盲従させる社会主義帝国』だった。起死回生の逆転サヨナラ満塁ホームランでも出ない限り、その夢も消える」
そして、スネオが
「最中幹事長、そんなことはありません!破防法さえ発令したら『一部の良心ネットワーク』なんて全員ぶっ殺してやりましょう!」
「お前は本当にしぶといな。お前のような奴を『殺しても死なん奴』と言うんだろうな」
東郷また口を挟んで
「最中幹事長、そこまで御理解されているんでしたら、もう退陣を決意されてはどうですか?」
「今更後には引けんよ。『イタチの最後っ屁』さ」
「『影の軍団』とやらに刺されるかもしれませんよ」
その東郷の一言で、最中は急に顔つきが険しくなった。
「貴様は東郷ではないな!貴様の前で『影の軍団』などと口走った奴はおらん!誰だ、貴様は!?」


以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

※タイトルをクリックすると初回から読めます。


※このサイトに掲載されている内容(データ)は ジェイビープルが所有するものであり、無断転載、転用及び無断複製は一切禁止します。
※リンクはフリーです。Copyright(c)2004-2005 JPEOPLE