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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part9 最後の大決戦、果たして奇跡は起こり得るか?(前)その6(2005.11.11)

にやりとした東郷
「ふっ、ふっ、ふっ、ふっ、ふっ。(不適な押し殺すような笑い声)我らは『影の軍団』。お主達の正体見たり……」
そう言うと、あごの下に手をやり、みるみるその顔(実はマスク)を剥いでいく。そしてそこにはさらに赤い縁取りのマスクが――
「影の軍団、赤影参上!」

「赤影参上!」と謎のマスクマンが言ったその途端、官邸閣議室の四方八方、壁や窓がバタバタバタと大音響とともに倒れていった。そしてそこは官邸ではなく、東京ドームのど真ん中、特設リングに設けられた、擬似官邸閣議室(大型模型)である。
しかも客席には五万人の大観衆、隠し撮りしていたカメラで一部始終そのやり取りを見聞きしていた。勿論その映像は日本全国に流れている。猛烈な怒号とともに客席から紙コップや靴やらゴミが投げ入れられ、ドームの観客はあわやリング上の政治家をよってたかって嬲り殺しにしかねない興奮状態に陥った。
「物を投げないで下さい!物を投げないで下さい!」と必至に叫ぶは新日本プロレスのリングアナウンサー田中ケロ吉、そしてそこに登場したのが『一部の良心ネットワーク』に名を連ねている、元プロレスラーで元参議院議員のアントニオ芋木である。
「みんなあ!聞いてくれ!ここで彼らを殺しちゃあ駄目だ!俺達は犯罪者じゃないぞ!真の民主主義を達成するため、彼らには全退陣を受け入れさせ、一生かかって彼らの罪を償わせるぞ!いいかあ!」
さすがは世界中に名を轟かせた格闘技界のカリスマ。見事アントニオ芋木は僅か数個の台詞で、暴徒化しかけた観衆を、あっと言う間、ひとつの無血革命集団にまとめ上げた。
「俺達は真の革命を目指すために立ち上がるぞ!いいかあ!いくぞー!いーち!にー!さーん!ダアー!」

 リング上の政治家達は新日本プロレスのレスラー達に護衛され、東京ドームを後にした。すべての陰謀を自ら暴露した最中、鈴木スネオが犯した失態を最中もやらかしたことになる。最終回答日期限は明日であるが、今晩にでも最中ら国会議員は『一部の良心ネットワーク』要求受け入れを発表するであろうと、国民の誰もがそう思った。そして日本政府より重大発表があるとされたのは同日夜七時、官邸より生中継でお知らせするとの連絡が『一部の良心ネットワーク』暫定政府本部フジテレビに届いたのである。

 そして迎えた午後七時、国民は最中の重大発表にウキウキドキドキ、高鳴る鼓動を抑えることができない。『一部の良心ネットワーク』暫定政府本部フジテレビの桜庭・森田ら全員も、国民とまったく同じ気持ちであったろう。最中は一体どんな重大発表をしようと言うのだろうか?森田は興奮している。
「桜庭さん、もうちょっとですねえ。重大発表まで……」
「期待できるかしら?」
「勿論です。ああ見えても最中幹事長、男気あるんですから。きっと潔く退陣してくれますよ!」
「そうじゃと良いがのう……」といきなりスタジオに登場した大室直吉老人、左右には前田、長州のボディーガード、さらにその後ろには赤影、青影のマスクマン二人を従え、森田、桜庭らの前に現れた。森田がびっくりして
「大室先生じゃありませんか!硫黄島にいらしたのでは?」
「なあに、日本政府からかっぱらったジェット戦闘機を使えば、ものの一時間もせんうち本土に着きよる。最中が重大発表する言うので心配になってのう」
「大丈夫ですよ。最中さん、きっと潔く退陣してくれますよ」とまた同じ事を言う。
「そうであれば良いのじゃが……」
「大丈夫ですよ。うん、大丈夫ですよ」


以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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