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新国家「大和」、日本より分離独立を宣言する。

Part9 最後の大決戦、果たして奇跡は起こり得るか?(前)その8(2005.11.14)

党本部に猛烈な勢いで到着した森田。開口一番――「最中幹事長はどこだ!」
 幹事長室で一人窓外の夜景を見て佇む最中、そこへ慌しいノックの音――
「最中幹事長!森田前総理がお見えになっております!」
「ああ、お通ししてくれ」
バーンと蹴り破るようにドアを開けて、森田が駆け寄ってきた――
「最中幹事長、なぜ潔く退陣しないのですか?あなたは日本に内乱が起きてもいいと言うんですか?」
森田、興奮しながら一気にぶちまけた。
「まあ、落ち着こう。森田さん、いや森田前総理。これは嫌味ではない。尊敬の意味を込めて、前総理と呼ばせてもらうよ」
森田は落ち着いて襟を正した。
「最中幹事長にお聞きします。あなたはひょっとして討死しようと考えているのですか?あなたにすがる既得権を持つ連中をわからせるため、自ら討死しようと考えているのですか?」
「誰が討死と言ったのかね?私が討死すると……」
「大室直吉先生です。『人は血を見ないと命が変わったことに気付かない』と……」
「あの御老人か……。あの御老人には敵わんな、まったく……」
「では、やっぱり討死を考えていらっしゃるんですね?」
「時の勢い、こればかりは誰にも止められん。破防法を適用したところで、大和と『一部の良心ネットワーク』を鎮圧するのは無理だろうな。日本政府が敗北するのは見えている。そうすれば私はA級戦犯だ。死刑にされてもおかしくない」
「男一匹森田としてお尋ねします。敗北が見えているなら、潔く退陣されたらどうですか?あなたにすがる連中を説得して、内乱勃発を回避する。それが政治家の使命ではありませんか?」
「男一匹最中として答えよう。甘いぞ、森田!そんなことをあの連中が『素直に納得する』と思っているのか?新政府になったところであの連中、けっして言う事は聞かんぞ、抵抗するぞ。戊辰戦争を思い出せ。慶喜が大政奉還した後、旧幕府軍はどうなった。素直に新政府に従ったか?鳥羽伏見を皮切りに最後は五稜郭で討死よ。ここで徹底的に旧勢力を叩き潰すのがあんたらの役目だ。遠慮はいらん、明日の国会審議、実力で阻止してみよ。阻止できたらあんたらの勝ち、阻止できねば俺達はねばるぞ。内乱になるぞ。そして華華しく散ってやるかな」
「そ、そんな……」
「あの御老人、俺はずっと化け物だと思っていたよ。あんたのように素直に彼を見ることができたらなあ。もっと若い頃あの御老人に出会っていたら、俺の人生も変わっていただろうなあ」
「最中さん、俺は……」
「言うな。あんたには結局裏切られた。お飾りの総理に仕立て上げようと邪な考えをした罰だなあ。しかし、あんたには勇気付けられた時もあった。あれは本当に有り難かったよ。一生忘れん……」
「最中さん、俺は……、俺は……」
涙が出そうになった。森田は「協力して新日本を創生しましょう」と言いたかった。
「言うな!……と言っている。さあ帰りなさい、あんたを待っている『一部の良心ネットワーク』にな。これから日本が必要としているのはあんたのような政治家だよ」
森田、もう言葉を発せず、一礼して最中の元を去る。最後に最中は――
「森田さん、いや森田前総理。ここは自民党本部、外は敵だらけだ。気を付けてお帰り……。いい政治家になれよ」
森田、また一礼し、ドアを閉める。そして最後に、閉じたドアの向こうの最中に向かい、森田は深深と感謝そして惜別の礼をした。


以下明日に続く(土曜日の更新はありません)。

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